光時計の考察


現在の光時計の考察は光が鏡に当たるか当たらないかの水掛け論になっている。
そこで私の考えた光時計の考察です。

光時計は1往復にかかる時間を2t 秒とします。
鏡に光が当たった瞬間に光る赤いランプをもう片方に緑のランプの付いた物を4個用意します。

緑のランプと赤のランプが同じ位置に来るように図−1のように配置します。

考察は
まずAとCから同時に光を発射するとt秒後にDとBの赤と緑のランプが同時に点灯します(図−2)。
さらにt秒後にはAとCの赤と緑のランプが同時に点灯します(図−3)。
あとはA・CとB・Dが t 秒間隔で交互にランプが点灯します。

ここでA・Cの4つのランプが同時に点灯した時にスイッチが入りB・Dの4つのランプが同時に点灯した時に爆発する装置を付けたとします。


当然A・Cのランプが同時に点灯し、B・Dのランプが同時に点灯した瞬間に爆発します。
さてここでAからD方向に相対速度Vで移動する慣性系Xからこの光時計を観測したらどうなるでしょう。

A・Cのランプが点灯してB・Dに光が同時に発射されます(図−3)。

まず鏡が光に向かって移動する形になるA・Dの鏡に光が到着します。
この時その他の光はまだ鏡には到達していない(図−4)。

次に光が斜めに走る形になるA・BとC・Dの光が同時に鏡に到着、この時A・Dはすでに鏡で反射して折り返しています。
また鏡が逃げていく形になるB・Cはまだ鏡に到着していない(図−5)。

最後にB・Cの光が鏡に到着します。

ここで問題が発生します。
B・Dの赤と緑のランプは同時に点灯しています。
このランプの光は当然慣性系Xでも観測されるはずです。

そこで相対性理論では同時刻の相対性という考え方を用いてまずCのランプが点灯してB・Dに光が発射され次にAのランプが点灯しB・Dに光が発射されます。
次にA・Cからの光が到着するDが点灯して最後にBが点灯するのですがこれだけでは赤と緑のランプが同時に点灯しないので進行方向に収縮することで辻褄を合わせています。


そうなるとこの装置の爆発は慣性系Xでも観測されるはずですが、なぜ爆発したのでしょう。






以下は光時計について調べている時にどこかで見た解説等ですが怪しいものが多々あったのでその1つについて考察していきたいと思います。


考察2




これはよくある列車の床と天井の間を往復する光時計で光時計だけが遅れるだけで時間は遅れないという主張に対する反論でした。

図−6のような列車の床と天井を往復する光時計の考察です。
光が床と天井を1往復する時間をTとします。
床からレーザー光線が発射された瞬間にぜんまい時計が動き出して天井で反射して戻ってきたレーザーでぜんまい時計が壊れる装置で説明していました。
当然列車の中では光線は真直ぐ往復してぜんまい時計は時間 Tで止まっています。
これを地上から観測すると図−7のように床から発射された光は斜めに進んで天井の鏡で反射し、また斜めに進んで床のぜんまい時計に当たります。
ここで相対性理論の基本的仮定、光は観測者の速度に関係なく光速度Cであることから光が斜めに進む分1往復に余分に時間がかかります。
しかし光時計の一往復はどの慣性系でもTなのでその分時間が遅れるとゆうわけです。
さらにぜんまい時計もTで壊れていることから光時計だけで無く系全体の時間が遅れるという風に主張していました。
運動する時計は遅れる、ここまでは良しとしましょう。
では地上にも同じ装置を設置して列車から観察したらどうでしょう。
普通に考えれば動く時計が遅れるのだから静止した地上の時計は早く動くはずです。
ところが列車から見た地上の光時計も図−7のように斜めに進むためやはり遅れるのです。
静止した時計も運動する時計も同じように同じ割合で遅れるのです。
しかしぜんまい時計は地上の物も列車の物も同じ時間Tで止まっています。
ぜんまい時計の代わりに原子時計を置いても結果は同じで、結局光時計だけが互いに遅れるだけで他の時計は地上も列車も同じ時間Tで止まってしまうのです。
なぜこの様なおかしな事になるかというと、光は観測者の速度に関係なく光速度Cであるという相対性理論の基本仮定があるからです。

図−8は、その仮説の検証実験の略図です。
地球は太陽の周りをおよそ秒速30kmで公転しています。
進行方向にある星から来る光の速度と後方にある星から来る光の速度を測定するとどちらともに光速度Cであり、C+30やC−30ではなかったのです。

しかしこの測定結果にも疑問があります。
鏡で光を往復させて経路を稼ぐ方式で計測すると往路と復路で運動速度は相殺されてすべて光速度Cになってしまいます。

さてそこで図−9ですが図−6のレーザー光線の代わりに超音波を使った音波時計の思考実験です。
実際には超音波の経路は見えませんが見えるものとします。
これを地上から観測すると光時計と同じく図−7のように斜めの経路をとります。
さらに列車内の観測者には窓から入ってくる前方からの音も後方からの音も列車の速度に関係なく音速なのです。
この事から導き出される結論は、音の速度はすべての慣性系で一定の音速であるという音速度不変の原理であり、動く時計が音速に近付くにつれて遅くなり音速になると止まってしまうという音速版相対性理論です。


さらに音波を使うと奇妙な現象が起きます。


図−10

図−10の装置はまず速度Vで移動する列車の中央から前後に音波を発信します。
列車の前後の装置は音波を感知した瞬間にレーザーを発射します。
前方からのレーザーを感知すると緑のランプが、後方からのレーザーを感知すると赤いランプが点灯します。

列車の中では音波が発射され前後の装置に同時に到着、
同時にレーザーが発射されて中央の赤と緑のランプが同時に点灯します。
これを地上から観測すると音波は列車の空気に対して音速で伝わるので当然前後の装置に同時に到着し前後の装置から同時にレーザーが発射されます。
すると光速度不変の原理から当然前方からのレーザーが先に中央に到着してしまいます。
そこで相対論では速度の合成(ローレンツ変換)が行われます。
すると前方へは音速より遅く後方へは音速より早くなってしまいます。


図−11

これだけでもおかしなことですが、図−11は前半分にも同じ装置を設置したものです。
前方のレーザー装置に関してはそれぞれの音源のみに反応するものとします。
さてここで中央と前方の音源から同時に音波を発信するとどうなるでしょう。
列車の中の観察者は当然前の赤と緑のランプが同時に光り次に中央のランプが同時に光るのを観察するはずです。

では地上から観測するとどうでしょう。
速度の合成により前方の音源から発信された後方へ向かう音波がまず中央の装置に到着し、レーザーが発射されます。
次に同じく前方の音源から発信された音波が前の装置に到着しレーザーが発射され前方のランプが同時に点灯します。
その後中央の音源から発信された音波が後方の装置に到着しレーザーが発射され、前方の装置に音波が到着してレーザーが発射されて中央のランプが同時に点灯します。
とりあえず辻褄は合いますが、問題は前方の音源と中央の音源の間の音波の速度です。
この空間では前方には音速より遅く後方には音速より早く伝わります。
同じ空気なのに伝わる方向によって速度が変わるという奇妙な現象が起こるのです。


最後にこのページでも図−7のように説明のため便宜上矢印で光の経路をあらわしましたし、多くの解説書でも似たような図で説明されていますが、実はこの光時計の光も奇妙な動きをしているのです。


図−12


図−13

光源から一定長のレーザーパルスを鏡に向けて発射した時の光の経路は図−7のようになりますが決して図−12のようにレーザーパルス自体が斜めになって進むわけではないのです。

この図のように光が進むと光の先頭は鏡に当たりますが後続の光は同じ所に進むため鏡の移動により鏡から外れてしまうのです。

実はレーザーパルスの動きは図−13のように光源と鏡間を鏡の方向に移動しながら運動方向に横滑りしているのです。
これはあくまで思考実験なので実際にレーザーパルスがこのような挙動を取るかどうかは疑問です。